ヅカ初心者の雑記

宝塚歌劇団にハマりかけの干物女による雑記

【感想】『今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!』(2022・月組・宝塚大劇場)

先日、母と一緒に月組新トップコンビお披露目公演『今夜、ロマンス劇場で』を観劇してきました~!
今回初めてチケトレを利用したのですが、チケットカウンターでの受け渡しになるので特別デザインチケットはもらえないんですね……。全落したので見られただけありがたいんですが、デザチケ見ていいな~って思いました。

公演概要

映画監督を目指し助監督として働く健司は、足繁く通っていた映画館・ロマンス劇場で、奇跡的な出会いを果たす。それは、映写室で見つけ繰り返し観ていた古いモノクロ映画のヒロイン・美雪──健司が密かに憧れ続けていた女性であった。突然モノクロの世界から飛び出してきた美雪に、戸惑いながらも色に溢れる現実世界を案内する健司。共に過ごすうちに強く惹かれ合っていく二人だったが、美雪はこの世界へ来る為の代償として、ある秘密を抱えていた……。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/romance_gekijo/index.htmlより引用

原作は2018年に坂口健太郎綾瀬はるかコンビで上演された映画です。芸能人にド疎い私でもこの二人はさすがに分かります(?)が、映画があまり得意ではないので、特に原作は履修せずに観劇しました。

今夜、ロマンス劇場で』感想

毎度の如くネタバレ満載なので、未見でネタバレ断固拒否!という方はブラウザバックをお願いします……!

公演プログラムにもある「見つけてくれてありがとう」という言葉。これ、オタクなら誰しも1度は推しに言われたい言葉だと思うんです。原作プロデューサーの方は、このインターネットの時代にコンテンツの入れ替わりスピードが加速度的に上がっていることに触れていますが、そんな中で「一生心に残る」作品を見つけることは難しい。
星の数ほどのアイドルや芸能人がいて、アニメや漫画・小説などコンテンツに溢れていて、それでも巡り会えた「推し」に対しては、「ずっと光っていてくれて、見つけさせてくれてありがとう」という気持ちになります。そして牧野健司の場合は、それが美雪だったんですよね。
この物語は言うなれば、激推ししてたら爆ファンサが返ってきたという単推しオタク大勝利のストーリーだと思います(趣ゼロのまとめ方)

れいこさん(月城かなと)演じる牧野健司は、序盤はポヤ~ッとした青年。おだちん(風間柚乃)演じる山中がチャキチャキしてるのに対して、どこか頼りない感じです。京映の製作所で助監督として働きつつ、頻繁に「ロマンス劇場」に通っては古い映画のヒロイン・美雪に恋焦がれる……。そして、映画から飛び出してきた美雪と恋に落ちるわけなんですが、その過程がまた素敵で!
健司は少女漫画のヒーローのようにオラついてたり、優雅にエスコートするわけではなく、たどたどしく美雪を庇い、彼女の行動をハラハラしながら見守る、ちょっと情けなくも包容力に溢れた男性で、そこに美雪が惹かれていくのはとても説得力がありました。たとえば大蛇丸の「強引な求婚」なんてロマンチックですが(ヌルヌルネチネチしてるけど……)、美雪は自分の話を聞いてくれない男にはときめかない。舞台設定は1960年代と少し昔ですが、そういう心情描写が現代的なので共感しやすいと感じました。

劇中劇、昭和の映画の話……なんてところで『銀ちゃんの恋』のことを思い出します。ただ舞台設定以外の部分は真逆と言っていい作品です。あと銀ちゃんは最初から最後まで突風のような作品でしたが、ロマ劇は序盤に少々物足りないくらいゆっくりと健司の身近な世界が描かれ、中盤以降に大きく物語が動くという構成になっていました。

公演中に驚いたのは、舞台セットの使い方がとてもきれいなところ。スクリーンに映画が映し出されて、そのあと薄い幕が上がって実際の舞台に切り替わる部分(←うまく説明できなくてすみません……)など滑らかで、全く違和感を感じませんでした。また、美雪に色の美しさを教えた健司が二人で銀橋を渡ると、銀橋が七色に照らされて虹がかかる演出も素敵でした。
最後、美雪の住むモノクロ映画の世界へ健司が行って、花を手渡すと鮮やかに色が広がっていく……という場面では「美雪がこちらの世界へ来た時の感動」が観客にも共有されているような感覚を覚えました。色の使い方でいえば、モノクロ映画から飛び出してきた白黒の美雪⇔色づいた世界の健司、という構図が、ラストの病院のシーンでは逆になっているところも上手ですよね……。健司の人生の中で、色を持ち自分の意志で動いてきた美雪がどれだけ美しかったのか伝わってきます。

スターさんでいうとやはり、組替えが決まり月組での大劇場公演はこれが最後となってしまうありちゃん(暁千星)につい目が行きました。大蛇丸は出番がものすごく多いというわけではないものの、健司の恋敵()ポジションだし、美雪の秘密を伝える役割もあるので大事なキャラクターです。こういうはっちゃけた演技も自分のものにできるありちゃんが、星組でも活躍しているところをたくさん観たいです!(その前にブエノスアイレスのチケットが当たりますように……)
反対に、今回から月組に組替えしてきた彩みちるちゃんも、健司に健気~な片思いをする塔子を好演していました。こっちは美雪のライバルなわけですが、バチバチすることなく二人ともかわいらしかったです。元々魔法使やCHでみちるちゃんのお芝居が大好きだったので、芝居の月組に組替えすると分かったときは楽しみな気持ちでいっぱいでした。実際観劇してみても「もとから月組でした」レベルに馴染んでいてあらためて感激。あみちゃん(彩海せら)の組替えも楽しみです!
また、ちなつさん(鳳月杏)贔屓の母は「なんかおだちんが2番手ぽくない?!」と言ってはいましたが、「俊藤はちなつさんしかできないキャラだよね」という部分の見解は一致しました(笑) とーーにかく足が長い!奇抜な衣装を着せたくなるのもわかる!そして常人には理解しがたい言動と、でも確かに豊かな人間性。あとちなつさんが演じると絶妙な色気があるのも最高ポイント……!

総評すると、お披露目公演としてこんなに素敵な作品はなかなかないのでは!?と思うほど楽しい公演でした。ちょっぴり切なくて、でも幸せで、悪人がいないお話です。欲を言うならもう少し公演期間伸ばしてほしかったです……1か月は短いて……。

『FULL SWING!』感想

いまだにショーの感想の書き方が分からないので超ホヤッとした感じの文章になっております……。

全然関係ない話から始まりますが、先日、父が熱心にスカステを見ているので覗いてみると、れいこさんの初バウ主演公演である『銀二貫』が流れていました(父は普段古いドラマや時代劇を見ているので刺さったらしく、「とても面白かった、華形さんという人(華形ひかる)の演技が良かった」とずっと言っていました)。その時から既にれいこさんの顔面は完成された美しさだったし、演技もとっても上手だったのですが、今回ショーを見て歌やダンスに凄まじく成長を感じたというか……!生で下級生時代を見たわけじゃないのでうまく言えないんですが、『All for One』の放送で初めてれいこさんを認識した母も同じことを感じたらしく、「れいこさんってあんなに声が出て色気があるんだねえ」と感心しきりでした。
今まで練習を積み重ねてきた結果がここまで美しく花開くものなのか、と単純に驚きでいっぱいです。

そんなわけで幕開けからあの輪っか(?)と一緒に出てきたれいこさんにびっくりし、ちなつさんがお芝居と同じように奇抜な服装で出てきて度肝を抜かれ、でもやっぱりカッコよくて謎の感動を覚えるなどしました。ちなつさんのおれはジゴロ♪みたいなやつめっちゃいいですね。
あと銀橋でトップコンビが歌ってる曲(だいぶうろ覚えなんですけど「瞳に映る星が愛になんちゃら~揺れる~♪」みたいなやつ)がものすっごく好きです。家帰ってもずっと頭に流れてるので配信で出たら絶対買います!

そして噂には聞いてましたが、拍手が本当に難しいです(笑)
音感0なので「あ~~めくるめく魂のFULL SWING♪」でどうしてもリズムが分からなくなるし、最後はあきらめがちになりました……。

構成としては、王道っぽい場面が重なりつつもどこかに真新しさ(というか、面白さ・軽妙さ)が入っている絶妙なショーでした。先述したちなつさんのジゴロの場面も、ジゴロ自体はショーに頻出の表象ですが、コミカルな表現を混ぜつつも決してカッコよさを取り逃さないというか。お笑いの場面、で済ませず、最後は粋にキメちゃうのがカッコいいです。
一番衝撃的なのがれいこさんネックレス(?)パクられる場面ですね!!さっきまであんなにクールに踊ってたのに、地団駄ダンス(と勝手に呼んでいる)なんかしちゃって……と思いきや、「フッ」の掛け声一つ、色気で強引に押し戻してくる。温度差で風邪ひきそうです。
今回のショーは全体的にありちゃんの出番も多いように感じました。ありちゃんっていうかカッコよすぎてあり様って感じでした。
何でか分かりませんが男役群舞とデュエダンは記憶がないので割愛……(え?)

フィナーレのトリプルエトワールは迫力満点で、私は男役エトワールを観るのが初めてだったのでかなり興奮しました(前にスカステで天真みちるさんがエトワールやってるのは見ましたが……)。この階段降りのときのうみちゃん(海乃美月)パート、ものすごく音が高くて歌うのが大変そうです。

華やかなショー(『Délicieux』『The Fascination!』など)が大好き!と自負していましたが、『FULL SWING!』のようにシンプルに曲が良く、ちょっと捻った感じの演出のショーも面白い!と感じました。えーん1回しか観られないのが惜しい……。
週末は縣くん(縣千)バウなので、それも楽しみにしてます!