ヅカ初心者の雑記

宝塚歌劇団にハマりかけの干物女による雑記

『アウグストゥス-尊厳ある者-/ Cool Beast!!』(2021・花組)感想(宝塚大劇場)

4/10 15:30公演と4:19 13:00公演を観劇しました。もう1度観劇予定だったのですが、残念ながら中止になってしまったので感想を書いてしまおうかな~と思います。
ふっつう~~~~に作品のネタバレをしてしまっているので、ネタバレを見たくない!という方はブラウザバックをお願いします。

アウグストゥス-尊厳ある者-』

作品概要

紀元前46年。政敵ポンペイウスを討ち、ローマに帰還したカエサル凱旋式当夜。ユリウス家の邸では、カエサルと敵対していた貴族たちとの和解の宴が催される。そこに現れた招かれざる客…それは、今は亡きポンペイウスの娘・ポンペイア。彼女は無謀にもカエサルに斬りかかり、父の仇を討とうとするが、ユリウス家の末裔であるカエサルの大甥・オクタヴィウスがそれを阻止する。オクタヴィウスは、ポンペイアを赦す事こそ真の和解の印だとカエサルに訴え、彼女を助けようとするのだが…  

感想

1回目に見たときは、「男同士のイザコザに巻き込まれてトップ娘役が殺される作品って結構ある(気がする)けど、華ちゃんポンペイアは知らん間に死んどる……」と思いました。カエサルが殺された夜に、とのことだったので2回目は注意深く見ていたところ、確かにその夜にポンペイアが謎の影に囲まれてオクタヴィウスとわちゃわちゃ(?)した後自刃するシーンがあって、これが自殺を意味していたのか、と驚きました。
アティア(オクタヴィウス母)がポンペイアに「全部あなたのせいよ、出て行って」と言ったくだりは理解力がなくていまいちよく分からず……。ポンペイアが乱入してきたためにブルートゥスがより一層頭を下げねばならず、そのことが彼の憎しみを増幅させ、カエサルを殺害させるに至った(と、アティアは考えている)という話なんでしょうが。

柚香さんの演じるオクタヴィウスに対しては、「尊厳ある者」というよりは「邪心なき者」という印象を受けました。彼には誰かを傷つけてまでのし上がりたいという野心がない。ゆえにすべての悲劇は彼の周囲に降り注ぎ、彼にはそれを止めるすべがない、という構図ができあがっているのかな……と。

登場人物はどこかで、オクタヴィウスと正反対の一面を持っていました。
最たる例が瀬戸かずやさん演じるアントニウスで、アントニウスには雄々しい力や激情的な愛があるけれどオクタヴィウスのような静けさはない。戦に生き、夢潰え愛に死ぬアントニウスの生きざまはとにかく印象的でした。オクタヴィウス・ポンペイアがくっつかないのとは真逆にアントニウスクレオパトラは熱情一直線……!キスシーン長すぎてびっくりしました、5時間くらいあった(オタク特有のクソデカ表現)
ところでアントニウスが敗走するシーン、全然意味が分からなかったです。あれはポンペイアの謎の力で突然オクタヴィウスが強くなり、アントニウスが幻覚を見たってことでいいのかな……。だとするとポンペイアも結構いかついことするなあ……(?)みたいな気分になります。
↑コメントでこちらの場面について説明をいただきました!確かに、ブルートゥスたちの幻影が「オクタヴィウスから離れた憎しみの象徴(神々と同じ布を肩にかけている)」というのはとても納得のいくものでだったので上記は打消し線を入れさせていただきます。いつもブログを読んでくださってありがとうございます(;;)
その後、夢から覚めてしまったアントニウスの死、クレオパトラの「騙したのね」はこの舞台で一番しんどい場面だと思います。オクタヴィウスにはどうすることもできない二人の世界が濃密に展開されていました。

ブルートゥスも重いバックボーンを持ったキャラだとは感じたのですが、いかんせん結構早々に殺されるために、キャラづくりが難しそうに見えました……。反カエサル派からの圧力・自分ではなくアントニウスを選んだ(と思っている)カエサルへの憎しみがブルートゥスを突き動かした、というところは分かるものの、ブルートゥス自身がどういうパーソナリティを持った人物なのかが掴みづらく、どうしても印象が薄く思えてしまえました(これは同じく早々に死んでしまったポンペイアにも言えます)。

「筋肉頭のアグリッパ」も言葉のゴロはいいのに……アグリッパいまいち目立ってない……()。キャラの掘り下げがないために、「いや盗賊のアジトシバき倒して馬盗んで来いって言ったオクタヴィウスのほうが筋肉頭だろ」みたいに思えませんか?(え?)
ポンペイアの侍女・レオノラやオクタヴィウスの姉・オクタヴィアはどちらも出番が多いわけではないのですが、個性が際立っていました。クレオパトラも尺を割いて彼女の強さ・脆さ・女王の仮面の下に隠れた愛の深さが巧みに表現されていたことを思うと、やはりポンペイアももっと輝かせられたんじゃないかな……;;

ザクっとまとめに入っちゃいますが、柚香さんが美しく、そしてどこか憂いを帯びた青年として悲劇の行く末を見届ける物語は面白かったし、瀬戸かずやさんも退団公演らしく、とても印象深く力強い男を演じていてよかったです……!
トップ娘役の退団公演としては欲を言えばもっと見せ場が欲しかったです。
凪七さんの顔が本当に小さすぎてメチャクチャ双眼鏡でガン見しまくってました。

『Cool Beast!!』

作品概要

柚香光が「Beast=野獣」に、華優希が「艶花」に扮し、美しく心優しいBeastが見た夢を、ストーリー仕立てで綴る魅惑の世界。

感想

カッコよさの暴力を浴びられてサイコ~~!!(偏差値2)
まずケモ耳(?)の凪七さん超かわいい。あと専科・美穂圭子さんの歌声を存分に味わえるのも幸せでした……!!その美穂さんと肩を並べて美声を披露しているのが音くり寿さん。本当に本当に歌が上手い。

『Cool Beast!!』の衣装の柚香さん・水美さんれいまいコンビは顔面が爆イケすぎました。お肉を取り合うシーンも二人ともダンスが上手くてエネルギッシュ。ポルノの曲を歌ってる!っていうツイートを見てそうなんや~と思ってましたが、あそこの「男なんてララララ♪」の歌がポルノグラフィティだったんですね!?(あとで知る) どうしても二人に目が行きがちですがうしろの永久輝さんや飛龍さんもめっちゃかっこいいよ!という話を聞き、目が足りなくてこまります(?)
お肉のシーンでは和解したと思ったら、のちの場面では柚香さんがトドメを刺されていて涙……。

私が見に行った4/10では、舞台真ん中にある薄い幕?がうまく開かず半分だけそのままになってしまうアクシデントがありました。舞台上にたくさんのスターさん・階段中央にトップコンビがおり、幕のない下手側へトップコンビが寄って出てきたのですが、結局歌い始めてすぐにオケが止まり幕が下りました。半分以上舞台上が見えない状態+開いた幕が回収されず床に落下していたので、歌や踊りに支障が出るからだと思います。
そのまま2分くらい(?)席で待ち、再び幕が開いたときには中央の薄い幕はすべて外されていました。「皆さんお待たせしました~♪」という替え歌で柚香さんが登場して、客席も笑いが起きていました。突然のことで驚きましたが、それでも集中力を切らさずキレキレなショーを見せてくれるタカラジェンヌさんたちにあらためて感激……。

それから白(ベージュ?)っぽい燕尾服での男役群舞、めっちゃくちゃかっこよかったです……!!
遠くから眺めていても個性を感じられました。特に水美さんが一回りゴツく感じます、太ももがすごい。瀬戸さんの大人の色気っていうんですかね!?美しさが爆発していて、あと柚香さんもお顔が小さいのにド綺麗で、ほんと全方位どこを見ても幸せパラダイスでした。

エトワールは永久輝さんでした!歌いづらそうなテーマ曲でしたが上手でした。改めて感じるのが、永久輝さんは歌もダンスもお芝居も上手だな~と……。おまけに顔もいいので名前負けしてなくてすごい()
そして華ちゃんの紫色の羽根、瀬戸さんの青い二番手羽根、柚香さんの赤い大羽根。一緒に観劇していた母も「羽根を見るとテンションが上がるよね」と言っていてわかる~~~!!!!(大の字)
それから大学の非ヅカファンの子もついてきてもらったのですが、「前半に劇があるおかげで、ショーでこの人カッコよかったんだけど誰?って聞いたときの説明がわかりやすい」と言われ、確かにそうだな~となりました。「○○さんだよ」と言うだけでなく、「○○の役をやってた人だよ」のほうが伝わりやすいですもんね。


中止になってしまったことは本当に悲しいです。一番悲しくて悔しいのはこれまでお稽古を続けてきたジェンヌさんたち自身だと思います。瀬戸さんだって華ちゃんだって、こんな時勢でなければ沢山のファンの拍手を浴びて大劇場とお別れができたはずで、考えると苦しさばかりです。東京公演は全公演できますように……。