ヅカ初心者の雑記

宝塚歌劇団にハマりかけの干物女による雑記

『CASANOVA』(2019・花組)感想(WOWOW)

私が宝塚歌劇団に興味を持ったきっかけであるこの作品について、感想を書き留めておきたくなったのでブログ記事にしました……!

作品について

作品概要

数々の女性と浮名を流し、ヴェネツィアの風紀を乱した罪で「鉛屋根の監獄」に投獄されたカサノヴァは周到な計画を立て、見事脱獄を果たす!!……折しもヴェネツィアカーニヴァルの日を迎えている。その人混みに乗じて逃亡を試みるものの、脱獄したカサノヴァがカーニヴァルに紛れている事に気がついた街の女達がこぞって彼を助けようとしたばかりに、かえって大騒動となる!!……その最中、カサノヴァは一人の女性と出会う。修道院での行儀見習いを終えたばかりというヴェネツィア総督の姪、ベアトリーチェ。彼女との出会いが、カサノヴァの運命を大きく揺り動かして行く。
理想の愛を求め、彷徨い続けるカサノヴァが最後に辿り着くところとは……
花組公演 『CASANOVA』 | 宝塚歌劇公式ホームページより引用)

初日映像

www.youtube.com

この初日映像をYoutubeで見たことが興味を持つきっかけでした。
(かなりの偏見なんですが)宝塚のメイクといえば青いアイシャドウに濃い口紅……みたいな、古い印象で止まっていたんですよね。それが明日海さんのカサノヴァの顔をひとめ見て「何このイケメン!?」となり(確か2020年秋)、ちょうどWOWOWで放送するというので見てみることにしました。

感想やら何やら

楽曲がどれもキャッチー

一番印象的だったのが、パレードでも最後に歌っている『人生には恋と冒険が必要だ』です。一度聴いてから一生家で口ずさんでしまうレベルに大好きな曲になりました……。
宝塚では男性の人物も女性が演じられるので、その「男役」をより男性らしく見せる存在として娘役さんが際立つのかな、と考えているのですが、白い衣装を着たカサノヴァが真っ赤なドレスの美しい女性たちに囲まれ歌う姿はメチャクチャにかっこいい!!この曲はカサノヴァの人生の信条でもあり、今までの生き方を象徴するような一曲でもあります。

誰にも縛られず、愛の赴くままに生きてきた、と述べるカサノヴァが『人生には恋と冒険が必要だ』とバルビ神父に歌いかけた直後、今度は真逆と言ってもいいくらいの『ひとつの愛、ひとりの人』。「1000人を抱いた」と豪語するカサノヴァが、まだ見ぬたった一人の理想の女を夢見て語るように優しく歌うこの曲は、彼の持つアンバランスな魅力そのものだと思いました。
女遊びを知り尽くした熟練の男でもあり、初恋を待ち望む少年のようでもある。そんなカサノヴァが美しすぎる明日海さんにぴったり(;;)

続いて少し飛びますが『馬車にて』……。
宝塚でラップとかあるの!?!?!?!?!?!?!?(錯乱)
人生でまったくヅカに触れてこなかった女、ショック死です(??)。しかもほんっとーにこれもメロディーが特徴的な曲!
サビっぽい「祭り騒ぎを抜け出して ドナドナ馬車で駆けていく」の部分、ずっと聴いていられるくらい大好きです。このときのベアトリーチェの楽しそうな様子は、確かにラップに乗せるのが一番伝わってくるし本当演出か作曲家かわからないけど天才です……。この馬車の中での4人のワチャワチャ感もかわいらしい。ダニエラと神父が地味にいい感じになってたり、ベアトリーチェとカサノヴァが急接近したとき後ろで「ヒュ~ヒュ~♪」みたいなお芝居をしてるのも好き……(語彙力)

そのあとは、『CASANOVA』におけるシリアスめの場面を一手に担っている『私を愛して』
ヅカど初心者の私は「この女性めっちゃ歌うまい!!美人!しかも旦那(コンデュルメル)より背が高そう……」と思って調べたら男役でたまげました。男役のスターさんが女役を演じられることも珍しくないのだと初めて知りましたが、たしかにコンデュルメル夫人の妖艶なうつくしさ……!べらぼうにスタイルがいいし腕や足の露出がえっちでドキドキです(?)
『私を愛して』はこのあとも何度か歌われますが、鳳月杏さんの素晴らしすぎる歌唱力で、より悲痛に心に訴えかける曲でした。

『自由に生きて、強く死ぬ!』も大大大好きな曲です!!この曲がのびのびと歌われているおかげで、カサノヴァと同じ時代を生きたひとたちがどんな風に考えて生き抜いていたのかがよく分かります。「強く死ぬ!」という言葉はなんだかショッキングなイメージもありますが、偉ぶった官憲たちがのさばる中でも自由主義の人々は一日一日を思うままに生きている、と、登場人物たちの世界が味わえます。

少し飛びますが、2幕『愛を恐れずに』ベアトリーチェを大好きになれる一曲。ディズニーっぽさがある……あるよね???(圧)
結婚したいと思えるくらい好きになった人が実はカサノヴァで、自分自身は望まぬ婚約者を作られて……そんなベアトリーチェが悩みを振り切って歌うこの曲では、カサノヴァから教わった「自由」とは何なのかを、彼女自身の解釈を加えて導き出しています。

以上が『CASANOVA』で特に好きだった楽曲たちなんですが、普段の記事に比べて語りすぎている時点で、この作品から受けた衝撃の大きさが伝われば幸いです()

どのキャラクターもついつい愛してしまうかわいさ

カサノヴァが主張する「愛する自由」は確かに一理あるものの、やっぱりどこか無責任です。そんな彼がベアトリーチェという運命の女性と出会い、彼女から学びを得て「本当の愛」「本当の自由」を知るという物語は、ベタでも心に響きました。
ベアトリーチェは恋に恋する世間知らずな一面はあっても、学があり思いやりもできる素敵な女性です。コンスタンティーノとの結婚は断ってもカサノヴァについていかずヴェネチアに残る、という選択をした姿に共感が持てました。何というか、「運命に翻弄されているだけ」「気が強いだけ」の女性は苦手なんですが、ベアトリーチェの性格はそのあたりのバランスがとてもよくて大好きな女の子です。
ベアトリーチェの周りにいるダニエラや総督、みんな彼女を「総督の娘」ではなく一人の意思ある女性として接しているのも素敵でした……!

悪役に属するであろうコンデュルメル・コンスタンティーノが憎めない性格なのもかわいかったです!カサノヴァを捕まえるのに仮面舞踏会を企画しちゃうとか、ぽんこつ加減も含めてなんだかんだ部下から愛されてそう。
最後、倒れた夫人にすぐさま駆け寄って「誰か助けてくれ……!」と叫んでいるシーンも「子犬ちゃんじゃん……(?)」と思いながら見ていました。二人幸せになってくれ~~~!

まとめ

話の風呂敷を広げすぎないというか、「本当の自由・愛」という本来難しいテーマに対して、カサノヴァとベアトリーチェという、あくまでも二人の関係からアプローチをしているのがわかりやすくて面白かったです!
こんな素敵な作品があることをもっと早く知りたかったな……と思うばかり(その頃は別の趣味にドハマリしていました)。これからもっともっと宝塚の作品について知っていきたいです。